我が家の双子ドール・ガッシュとゼオンは今年の6月で制作から15年目となりました。過去に撮影した写真と記憶を頼りに、制作当時を振り返ってみたいと思います。
二次創作の原作について
これまで特に説明する事もなく「あくまでも自分の人形作品として」キャラドールの写真を掲載してまいりましたが、今回の記事を読んでいただく前に、原作「金色のガッシュ!!」について簡単に解説したいと思います。
人間と魔物の子供がタッグを組み、魔界の王の座をかけて100人の魔物の子供たちが最後の一人になるまで戦うファンタジーバトルです。過酷な戦いの中で育まれる友情と、「王者とは何か」について丁寧に描かれた作品です。
原作コミックは週刊少年サンデーにて2001年~2008年まで連載、2003年~2006年の三年間、TVアニメも放送されました。
2026年で連載開始から25周年を迎え、現在もなお多くのファンから支持される不朽の名作です。
Amazonリンクも貼っておきましょう、Kindle unlimitedで完全版が8巻まで無料で配信されています(2026年6月現在の情報です)。
時は遡り、2008年6月
私にとっての「金色のガッシュ!!」は、2003年のTVアニメ化をきっかけに原作コミックに興味を持った作品です。ガッシュの立体物が欲しいと思った時には、すでにおもちゃ屋さんに関連グッズが沢山売られていました。
その中でも特に気に入っていたものがこちら

2003年にバンダイから発売された「魔物フィギュア ガッシュ・ベル」。植毛・布服仕様で細かい部分もキャラクター設定に忠実で、とても良く出来ていました。

他の1/6幼児ドールと一緒に並べても大丈夫な感じで、大切に飾っていました。
隣のお嬢さんは当時の私がカスタムした子で、球体関節人形愛のボディにマフィンヘッドを乗せています。(※現在、私の手元にはありません)
そして2008年。「金色のガッシュ!!」33巻が発売されて、原作コミックが完結しました。
「ああ、本当に面白い漫画だったなぁ…。完結まで追い続けて本当に良かった。雷句先生、ありがとう!」読了した私の胸を去来するのは、満足感と終わってしまった寂しさ、作者への感謝の想い。それから、

ガッシュとゼオン、双子の布服フィギュアを並べて見たかった!!
というオタクの無念の叫びでした(笑)
上に写真を貼った「布服フィギュア」でゼオンが出たら絶対買う!とか考えてたけど、ガッシュ以外のキャラクターが出ることはありませんでした。
男の子向けのアニメ作品で「フィギュア」と商品名を付けていても、どう見ても着せ替え人形っぽいおもちゃはあまり売れなかったのかもしれません。
オビツ11ボディが販売される前の話
欲しいグッズが公式から販売されてない時、何か作る系のオタクは当然ながら自作を始めます。初めてカスタムしたドールのキノちゃんも、そうして誕生したドールでした。
作るとしたら、出来ればキノちゃんと同じマフィンヘッドで、プラ製ボディの着せ替え人形がいい!
しかし、作りたいと思い立ったのは2008年。カスタムドール用の素体で一番低身長だったのはオビツ21で、幼児体系のボディはまだ発売されていませんでした。
オビツ11が発売される以前の1/6スケールの幼児ドールは完成品が中心で、素体(カスタマイズ前提)で販売されているものはほとんど無かったと思います。
ボークスの22㎝ボディを低身長加工して、幼児キャラのドールを自作しておられる方も見たことがありましたが、残念なことに私は「すごいなぁ」と思うばかりで、自分でボディを改造しようとすることはありませんでした。
その程度の熱意だったの?と言われたら、ぐうの音も出ません。その頃はカスタムドールを始めたばかりで、正直なところ、気になるお人形が他にもいっぱいあったのです…。
それでも、双子のキャラドールを作りたい気持ちは、ずっと心の片隅でくすぶり続けていました。
オビツ11ボディは2011年に発売された
2011年、1月のことです。
オビツ製作所のウェブサイトにアクセスしたら、トップページに「11cmボディ発売決定」のアオリ(うろ覚え)と共に表示される、オビツ11ボディのモノクロ写真!

ナニコレーー!!
本当だよね!?ほんもののオビツの公式サイトだよね??
いやあ、青天の霹靂でしたね。
これで、ついにガッシュとゼオンのドールが作れるぞ!と、まだ素体の現物を見てもいない段階から、見切り発車でドール制作の準備を始めました。
ボディが無いのに頭を作り始めていた
まずはドールづくりのためのイメージ画を描いてみたり

まだ素体の現物を見てもいないのにマフィンヘッドを購入してメイクしたり、イメージに合うドールアイを物色したり、ウィッグをカットしたり。さすがに衣装はボディが無いと作れませんでした。それでも頭部は4月頃には完成していたと思います。
これでヘッドとボディが全然合ってなかったら話のネタとしては面白いんですが、当時は頭部を作るのを楽しみつつも「全然合わなかったらどうしよう」と不安でたまらなかった事を覚えています。
オビツ11発売までの出来事で、覚えているのは
- 1月にオビツ製作所公式サイトで11㎝ボディの発表
- 2月のワンダーフェスティバルにて先行販売
- 3月発売の別冊マガジンにて「金色のガッシュ!!」特別読み切り掲載(以後、文庫版が月に一冊ずつ刊行)
- 3月11日、東日本大震災発生
実は震災後の出来事をあまりよく覚えていません。過去写真の日付等から判断するに、オビツ11ボディの一般販売は6月頃だったんじゃないかと思います。
その頃mixiをやっておりましたが、のちの退会と同時に日記のテキストデータは消滅したため、当時の詳細は分からなくなってしまいました。
ただ、待っても待っても一般販売が始まらない!と、待ち遠しすぎて辛かったのはよく覚えています。でも新作発表から半年で一般販売開始したのは、今思えばオビツさんもすごく頑張っていたんじゃないかと思います。
今思えば、ね。(新オビツ27ボディは原型の展示から何年経ったんでしたっけ…それとも企画自体がポシャったの?)
とうとう届いた!オビツ11ボディ!
やったー!ついに手に入れたぞ!

ヘッドはとっくに完成しているので、ボディを開封後すぐにパイルダーオン!

小さい…すごく可愛い…!
母からは「なんかすごく頭大きくない?」と言われたけど、私には可愛いデフォルメ体系に見えるので丁度良いです。
オビツ11とマフィンヘッドの組み合わせは首がクルクル回ったりすることもなく、ジョイント部分が首穴にすっぽり隠れて違和感もありません。最高じゃないか!

当時のマフィンヘッドのドール達を並べてみたところ。衣装はキノちゃんの21cmボディ用のトップスを着せています。双子の髪色が膨張色なせいか、黒髪よりも頭が大きく見えますね。

記事の最初に紹介した「布服フィギュア」の衣装を着せてみました。サイズぴったりです。
そういえば、魚のリアルフィギュアはオビツ11の一般販売を待っている間に集めていたんでしたっけ… この写真を見て思い出しました。写真撮っておくの、大事です。

布服フィギュアの衣装を参考にオビツ11用の衣装を自作して、ウィッグを納得の行くショートボブになるまで作り直して、

完成しました!
ドールと遊ぶ楽しい毎日
キャラドールの完成がとても嬉しくて、色々なことをして遊びました。


おや?いつもと何やら雰囲気が違いますよ

目玉とウィッグと衣装を入れ替えて「取り替えっこ遊び」をしてみたり

己の特技を生かして、

1/6スケールのバルカン制作に挑戦してみたり。

本物のミカンと組み合わせて

原作漫画の「泣き虫みかちゃん」と邂逅させてみたりとか。写真を見返しているだけでも、当時の楽しく嬉しい気持ちがよみがえってきます。
しかし、ただ楽しく幸せなだけではありませんでした。長い間待ち望んでいたドールが手元に居ること自体が嬉しくて、自分では客観的な目線で見ることが出来ていなかったのです。
ドールイベントでやらかし続けた痛い記憶
以下、各方面からお叱りを受けそうな話をします。あるいは誰かに叱られたいのかもしれません。読んで不快に感じる方もおられるかと思います。
ただ、双子ドールとの15年を振り返る上では切り離せない記憶でもあるので、懺悔のつもりで綴っておきます。
今となってはすっかり「ひきこもりドールライフ」を満喫しておりますが、2017年頃まではドールイベントやオフ会など、他者と交流する場に頻繁に参加していました。
2011年以降、私の可愛いガッシュとゼオン人形を誰かに見て欲しくて、どこにでも連れて参加していたのです。
例えばPARABOX中野店(今年の3月に閉店)。私がドール達を連れてお店に行った時の写真が旧中野店ブログに残されています。
ドールクローゼットCLUBでも、ドールイベントの交流スペースでも、どこに連れて行っても絶対聞かれたのが、
「目の下の線、なんなの?ロボット?」
私も原作読む前は「顔の線は何なの?ガッシュってロボットなの?」って思ってましたから、その疑問はとても良く分かります。
「金色のガッシュ!!」は100人の魔物の子供たちが人間界に送り込まれて、1000年に一度開催される『魔界の王を決めるための戦い』を行うバトルロイヤル漫画です。ガッシュ達の目の下の線は、魔物の男性によくある(女性には無い)特徴で、読者が魔物と人間を分かり易く見分けるための漫画的な記号のようなものです。
…というようなこと↑をいちいち長々と説明するのは面倒(聞かされる方もたまったもんじゃないでしょう)なので、漫画のキャラドールなんですよ、とだけ伝えていました。
元ネタを知らない漫画のキャラドールとか見せられても、反応に困るよなぁ…と今なら分かります。何となく白けた空気になるだけなんです。
キャラドだと伝えなくても、「え… 個性的なメイクですね」と明らかに困惑しておられる方も少なくありませんでした。
同じオビツ11ボディの「チビミン」は、どこに連れて行っても私が何も言わなくても、「アルミンですよね?」と看破され、多くの方から可愛がっていただきました。

私にとっては、チビミンも双子も同じくらい大切な子達なのに、周囲の反応はあからさまに違います。そのうちに「この2人を可愛いと思うのは私だけなんだ」と卑屈になり、イベントにガッシュ達を連れて行く事は無くなりました。

あらためて、当時の原作の状況を冷静に書き出してみましょう。
深夜帯放送のアニメは大人向け。
原作漫画もアニメも世界中で大人気の現在進行系の作品で、「作品を見たことが無くてもタイトルくらいは誰でも耳にしたことがある」くらいの知名度があった。
日曜朝9時放送のアニメは2006年に終了、原作は2008年に連載終了。
名作と謳われているものの、メインターゲットは小中学生。アニメ放送当時には成人していた自分と同世代の仲間内で、作品に興味を持っていた人はあまり多くなかった。
SNSでやりとりしたことのある20代前半の方から「ありこさんのガッシュのドール写真、いつも見てます!」と声を掛けていただいた事もありましたが、同時に「小学生の頃アニメ見てました!」とも言われたんですよ…
そりゃあ、漫画オタクではないドール者の集まりで、ガッシュの原作を知らない方が多いのは当然だと思います。私は、二次創作品を見せる相手を根本的に間違えてしまっていたのです。
本来、二次創作はコアなファン同士で密やかに楽しむものです。承認欲求を抑えられずに誰彼構わず見せてまわって、結果的に自分自身のファン心理を傷つけてしまいました。
ただ、あくまでも「個性的なメイクの子供人形」を持ち歩いていただけなので、「ガッシュのファンは痛い」みたいな悪評をばら撒くことにはなっていなかったと思いたいです。そもそも目立ってなかったしね…
二次創作はひっそりとやるもの
前述の双子ドールを連れ出さなくなった顛末だけをみると、誰からも顧みられなかったように思われるかも知れませんが、実際はそんな事はありません。
一緒に原作を楽しんでいた友人からはとても可愛がられていましたし、ドールイベントやオフ会では何度か声掛けをしていただいたこともありました。
特に忘れられないのは、過去に運営していた個人サイトで「双子ドールの写真を公開してくださってありがとうございます」と言われたことです。そのコメントをいただいた時期は、恐らく(記録がないので)13〜14年前になると思いますが、今でも励みになっています。
この先、二次創作ドールをどこかに連れて行くことは無く、当ブログで公開するのみにするつもりです。二次創作の記事には検索エンジン避けをしているので、キャラクター名で検索してもヒットしにくいと思います。
それから、なによりも大切なのは「人からどう思われるか」ではなく、自分自身が心から楽しんで、ドールを可愛がっているかどうかです。

2024年に双子ドールをリニューアルした事は家族にも共有していないし、詳細はこのブログ上にしか記していません。それで十分なのです。

ブログは良いですよ!
対面と違って見ている人の表情が見えないですし、SNSとも違って他人の投稿と比較して落ち込むことも無いんです!
それでも、いつか何処かで同好の士に共感していただける日が来ることを夢みて、同人サイト検索エンジン「コンパスリンク」に登録してみました。
何処かに、私みたいにガッシュ達のドールを作って日常的に可愛がっている人も居るかもしれません。
私の検索能力では「ガッシュ!!」のキャラドールを作ってネットに公開していた人は過去に自分を含めて4人くらいしか見つけられたことがありませんが、「こんな事してるのは自分しか居ないだろう」と思い込みがちなことって、大抵「ずっと前から同じ(もっとすごい)事してる人が居る」ものなのです。
世界のどこかに、居てね!同志!
私はこれからも、何年経っても今までと変わらずに、双子のドール達を大切に可愛がっていきますよ。



コメント
こんばんは、お邪魔致します。
内容の詰まった読み甲斐のある素敵な記事でした。
ありこ様がキャラクタードール「ガッシュとゼオン」にこれ程までに強い思い入れと拘りがある事に驚くと同時に、ドール趣味は、「個人ごとに思い入れや重視するポイントが大きく違う」という事を改めて実感しました。
私もアニメは好きですが、特定のキャラクターに強い思い入れを抱く事はあまり無く、人形は自身のイメージで勝手に作っています。 ですが、その感覚で他のドール趣味の方に声をかけてしまうと、悪気はなくとも相手を深く傷つける事があるかもしれませんね。
改めて、「気を付けなくては」と考えさせられる記事でした。
失礼しました。
コメントありがとうございます。
記事の書き始めは「15年の節目だし、昔の写真を掘り起こして改めて製作記でも書いてみるか」くらいの気持ちだったのですが、交流しくじりの記憶を掘り起こしたら書く手が止まらなくなりました。他のガッシュファンから怒られないことを願うばかりです…
多分ですが、キャラクタードールはライトに楽しんでいる方の方が多数派だと思いますよ。
ガッシュとゼオンは、おそらく私の得意分野の「子供」だからこそ拘って作り込んだのだと思います。
たとえば19歳の青年兄弟だったら、漫画やアニメを見るのは好きでも、自分で人形を作って可愛がろうとはならなかったかもしれません。そして人形を作って手元に置くことで身近に感じられるようになって、より一層キャラクターに入れ込んでいく… というある意味で負のスパイラルに陥って行きました。
ドール趣味は本当に人それぞれ、大事にしている部分が異なります。
心に傷を抱えた人も少なくなく… そして私のように、傍目からは分かりにくい部分ですごいウェット気質な面倒くさい人も居ます(笑)