アクリルアイキット製作記

今回の記事ではドールの目玉単体の画像を含みます。苦手な方は閲覧をお控えください。

ドールアイ自作キットで作る、オリジナルアイ

自分のドール用の、自作ドールアイのお話です。

自作ドールアイ 12ミリ
自作ドールアイ 12ミリ
自作ドールアイ 10ミリ
自作ドールアイ 10ミリ

これらは市販されているアクリルアイ制作キットを使って作りました。小さなドール用ウィッグのお店やフリマサイトなどで販売されています。

プリントアウトした虹彩を挟んで接着するだけで、簡単にオリジナルアイが作れます!みたいに売られていますが、実際に作ってみたら結構コツが必要で、最初の3つくらいは失敗しました。

今後制作する時の覚え書きとして、作る際の注意点などを書き残しておきたいと思います。これから作ってみようという方の参考になれば幸いです。

作る時に失敗した事と、解決方法

どこの販売サイトでも、アクリルアイキットの作り方は暗黙の了解という感じで、最小限の情報しか載っていません。フリマサイト等で販売しているショップでは作り方自体何も書かれていない場合もあります。

以下の作り方説明は、小さなドール用ウィッグのお店の販売ページからの引用です。

「虹彩をプリントした薄手のシートを挟む」
「少量の接着剤で透明パーツと土台を接着する」

上記以外の方法でご利用いただきました場合、破損の可能性がございます。
接着剤はアクリル樹脂に使用できるアクリサンデー等をご使用ください。

推奨される接着剤が難易度高すぎた話

虹彩の紙の厚みに注意!

私の作った瞳の虹彩は、Photoshop Elementsで制作した画像をセブンネットプリントで写真紙にプリントしたものを使っています。

アクリルアイキットに使う虹彩は、ごく薄手の紙でなければ上手くレンズをはめ込む事が出来ません。なので、厚みのある写真紙にプリントアウトした場合は、印刷面の裏側の紙を可能な限り剥いて出来るだけ薄くしておく必要があります。

アクリル専用接着剤は素材を溶かして接着する

透明パーツ(以下、レンズ)と土台(白目)は、自宅に保管してあった「アクリダイン」で接着することにしました。推奨されている「アクリサンデー」と成分は同じです。

アクリサンデーやアクリダインは、溶剤でアクリル樹脂を溶かして溶接するタイプの接着剤です。虹彩をプリントした紙のトナーも溶かして滲んでしまうので、ごく少量だけを使うように細心の注意を払い、白目パーツとレンズの境目に注射器を使って慎重に流し込みました。

その結果…

  • レンズと虹彩の紙が密着しない(わずかに空気の層が出来る)ため、瞳の輝きがイマイチ
  • レンズの底面に光が反射して、見る角度によっては完全に白目に見える
  • ごく少量のアクリダインでもトナーは溶けて印刷が滲んでしまう

さらに!少しの衝撃でレンズがポロっと外れてしまいます。
これはアクリダインが少量すぎることと、接着面積が小さすぎるためかと思います。細いプラスチック棒が折れた時、アロンアルファで接着できないのと同じですね。

アクリルアイ制作キットって、こんなものなの?

期待していた分だけガッカリも大きかったです。しかし、この程度で諦める訳には行きません。

推奨されない方法で上手くいった話

アクリダインで溶けた虹彩のトナーはレンズの底面に癒着して、擦ったくらいでは取れません。これでは破損しているも同然なので、試しにショップが推奨しない、破損するかもしれない方法で作り直してみることにしました。

カボションアイと同じ作り方で試してみた

アクリルアイキットの制作と同時期にカボションアイを作っていたので、カボションアイ用に購入していたボンドを使ってみることにしました。

▲自作カボションアイ使用のドールの記事はこちら

ラインストーン用ボンド デコプリンセス
画像クリックで拡大します

ラインストーン用ボンド デコプリンセス
カボションアイの作り方を解説していたブログ記事で紹介されていたので、私も使ってみました。糸を引きにくく、少量を出しやすいノズルでとても使い易いです。

デコプリンセスは2026年現在「コニシ ボンド パーツ用」に改名されているようです。

作り方
  1. 切り抜いた虹彩シートにごく少量のボンドをつけて、空気を抜くようにレンズを押し付けて、ボンドを乾かす
  2. ごく少量のボンドを白目パーツにつけて、レンズ+虹彩をはめ込む

そうして出来たアイがこちら!

ガッシュとゼオン

レンズと虹彩がボンドで密着しているので、どの角度から見ても色鮮やかで、レンズがポロッと外れることもありません。

▲アイを作った当時の記事はこちら

レンズに対して虹彩は一回り小さく描かなくてはならない

まだ出てくる問題点

アイが出来上がった時は「上手くいった!」と喜んでいましたが、撮影して拡大してみると

特大の気泡…というか、虹彩の1/4くらい接着できずに浮いた状態になっていました。

何故なのでしょうか?作った時のことを思い出しながら原因を探します

直径6mmのレンズに、直径6mmで描いた虹彩を貼ると、レンズからほんの少しだけ虹彩シートが(本当にほんの少し)はみ出します。
これを白目パーツにはめ込むと、はみ出した虹彩シートが白目とレンズの間でクシャッとして、…結果、接着できずに浮いてしまう部分が出来てしまったという訳です。

解決方法:虹彩を直径5.8mmで描く

虹彩シートがレンズからはみ出してアイの中でシワが出来るなら、解決方法はいたってシンプルです。一回り小さく作り直せば良いのです。

左側上下:初回の失敗作 右側上下:改善後の試作品

最初に作ったアイの虹彩は「虹彩の直径6mm、瞳孔の直径3mm」で描いていたので、「虹彩の直径5.8mm、瞳孔の直径2.8mm」で描き直しました。
瞳孔の直径2.8mmって小さくない?と自分でも少し心配になりましたが、レンズで拡大されるので完成時にはちょうど良い具合になりました。

画像の右側、オレンジ色のアイの印刷が滲んでみえるのは、一番最初に作った「アクリダインで溶けたトナーが癒着したレンズ」を使っているからです。
本番用に使えないなら試作品に使えばいいじゃない、ということで今後も捨てずに保管しておきます。

▲完成したアイの紹介記事はこちら。喜びに満ちています

アクリルアイキットには複数の種類がある

アクリルアイキットには、半球型やしっぽ付きなど、複数の種類があります。そういう「見た目の違い」はショップの商品画像で判断できますが、買ってみないと分からない違いもあって困惑しました。

通販サイトに書かれていない、レンズの形状について

今度は一万回の脱出計画カスタム子にアイを作った時の話です。

一万回の脱出計画のアイホールは、一般的な10mmアイ(虹彩6mm)では虹彩が小さくてビックリ目になってしまうため、虹彩7mmのアイが欲しい。けど、12mmアイ(虹彩7mm)ではヘッドの中でアイ同士がぶつかって、アイホールにきちんと収まりません。

そこで見つけたのが、「小さなドール用ウィッグのお店」で販売されている11mmアイ(虹彩7mm)です!
※在庫が少なくなっているようですので、商品ページのリンクは貼りません

アクリルアイキットで作った瞳 12mmと11mm

12mmアイと11mmアイの比較。
11mmアイのサイズ自体は理想的なのですが、レンズの構造に難点がありました。

画質が荒いですが、アイが綺麗ではないのはお分かりいただけるかと思います。
この11mmアイのレンズは、レンズの底面が平面ではなく、ドーム状の曲面になっているのです。作っている時にそれに気が付いて、写真紙の厚紙を極限まで剥いて薄くした虹彩シートを綿棒でグリグリ擦り付けて、なんとかレンズに密着させようとしましたが…
結果は画像の通り、ドールアイとして使い物になりません。

どうしてこのような構造なのでしょう。
これは私の想像ですが、ラメやスパンコールを入れたキラキラのアイを作りたい人向けの造りなのかもしれません。
しかし私はあくまでもシンプルなアニメアイを作りたいので、ドーム状の空洞は要らない。仕方ないので、12mmのアイキットを買って作り直したのでした。

ちなみに、記事冒頭に貼った販売ページのアクリルアイキットのレンズの底面は平面です。
検索して出てきた範囲のショップでは、レンズの形状がどうなっているか、アクリルアイキットの商品ページに書かれているのを見たことが無いです。
半球タイプとか、しっぽ付きタイプとかの説明はされているのですけども。

レンズと白目の固定方法も複数ある

私が購入した中では、レンズを白目に接着剤で固定するタイプと、接着剤無しでパチッとはめ込むタイプの二種類がありました。もしかしたら他のパターンもあるかもしれません。

パチッとはめ込むタイプを「試しにはめ込んでみた」ところ、がっちりホールドしてレンズが白目から外れなくなりました。

レンズが外れなくなった時の解決方法
  1. アイを丸ごと80度くらいのお湯に沈めて温める
  2. お湯から取り出したアイの水気を拭き取って
  3. 熱が冷めないうちにセロハンテープの粘着面などでレンズを固定し、引っ張る

12mmアイがヘッド内部でぶつかってしまう問題の解決方法

左側が削った白目、右側は未加工の白目

12mmアイが「一万回の脱出計画」のヘッド内部でぶつかってしまう問題は、白目部分の底を削って小さくすることで解決しました。#120の紙ヤスリで簡単に削ることが出来ました。
ただし、12mmアイは11mmアイを使った時よりも、アイとアイホールの隙間が大きくなります。

レジンアイよりは気軽に、でも自作は基本面倒なもの

上に書いた文章では、レンズの底目が平面タイプなら失敗しにくいような事を書いていますが、実はそうでもないです。

画像の向かって右側(ドールにとっての左目)のアイの真ん中が真っ白になっていますね?
これはキャッチライトではなく、レンズの接着時に気泡が入った部分に光が反射しているのです。接着する時にめちゃくちゃグリグリ擦って空気抜いたはずだけど、それでも気泡が入る時は入ります

気泡入ってるけどあくまで自分用だし、現物を見ている分には気泡に気付きもしなかったし、撮影時には色んな角度から沢山撮って、気泡が目立つ写真は弾けば良い。
なので、あまり気にせず使っています。

ここまで読んでくださった方の中で「それならアクリルアイキットを使うのはやめておこう」と思った方もおられるかもしれません。
しかし、アイの原型から自分で造形・型取り・複製して作るレジンアイよりは、ずっとずっと気軽に作れるものだと自身をもってお勧めできます
自作に失敗はつきものです。そして失敗を重ねた末に成功した時の喜びは、何物にも替えがたいものです。

最後に、キットを購入する時は「一個しか作らないから一個だけ買う」というのはあまりお勧めしません。
失敗してもそれを使うなら良いけど、作り直す余裕があるなら、あらかじめ複数個買っておくほうが送料も時間も節約できるのではないか、と思っています。


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